雇用保険法の改正と、超高齢社会
こんにちは。 ペルダ・コンサルティングの古橋です。
今年の1月から、雇用保険被保険者の適用範囲が拡大されています。 去年までは、65歳以上の方を新たに雇い入れる場合、雇用保険に入れることはできませんでした。これからは要件(※)さえ満たせば、年齢に関係なく被保険者となります。 ※週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上継続して雇用の見込みがあること
ですから、65歳以上で再就職してその後退職した場合、いままではいわゆる「失業給付」は受けられなかったのですが、これからは条件さえ満たせば「高年齢求職者給付」が受けられます。
今現在お勤めの方で、65歳以降に雇い入れた方がいる場合、この要件に該当する可能性があります。 その場合は「資格取得届」の提出が必要になりますので、事業主の皆さまはご注意ください。
なお、お給料から差し引く雇用保険料は、平成31年度までは労使ともに免除されます。
これに関連して、先日はこんなニュースもありました。 日本老年学会が、高齢者の定義を「75歳以上」に見直すべきであるとの提言をまとめたというニュースです。
「この20年ほどで老化のスピードが遅くなり、今、高齢者と呼ばれる人は生物学的に5歳から10歳ほど若返っていると見られる。若い労働者が減るなか、現在、高齢者とされている人たちの意識を変えて、社会を支える側に回ってもらう必要があるのではないか」
(※上記はNHKニュースサイトからの引用です)
たったの20年で、生物としての人間の老化スピードがそんなに遅くなっているとは、感覚的にピンとこないのですが、偉いお医者さんの言うことですし、その通りなのでしょう。たぶん。
高年齢者というのが何歳からなのか、というのは別に法律で決まっているわけではありません。 一応、企業側には、定年が60歳でも「65歳までの継続雇用制度を設けること」が義務付けられています。 これまでの雇用保険制度や老齢年金の支給開始年齢を併せて鑑みると、「65歳から高齢者」というのが、世間一般での共通した認識ではないでしょうか。
それを10歳も引き上げようというのですから、思い切った提言だなと思うのです。
年齢を重ねつつ、いつまでも「働きがい」を持って社会に参画していくということは、とても意義のあることだと思います。 でも、いつまでも働かなくてはならない世の中が、幸せと言えるのかなあ、という疑問もあります。
・・・本当の幸せとは何なのか。
僕にはよく分かりません。
ただ確かなことは、「超高齢社会」の現在、そうでもしないと本当に働けなくなった世代を支えていくことが難しい社会になっているということです。
ところで僕は、「オカヤドカリ」という生き物を飼っています。 小さな体に似合わず、10年~20年くらい生きるそうです。 おととしの春から飼い始めたので、うまく飼育すれば、あと18年くらいは生きるのかもしれません。
・・・お前たちの老後の面倒は、僕がちゃんと見るからねっ。