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働き方改革と、労働生産性

こんばんは。 ペルダ・コンサルティングの古橋です。

昨年から今年にかけて、「働き方改革」の推進が、国の重要な施策となっています。 これから、法改正などの整備が進んでいくことと思われます。 その中で焦点のひとつとされているのが、恒常的な長時間労働の是正や、労働生産性の向上についてです。

違法な長時間労働については、昨年から連日のようにニュースで取り上げられました。 また、長時間労働と関連して、労働生産性についても問題になっています。 日本生産性本部による分析では、我が国の労働生産性は、「先進7か国中で最も低い」のだそうです。

労働生産性とは、「投入した労働量に対してどれくらいの生産量が得られたか」を表す指標です。 従業員一人当りの付加価値額を示す指標であり、「付加価値 ÷ 従業員数」で表されます。

これがどういうわけか、日本は他の先進国と比べて低いとされています。 特に「サービス産業」で低い結果が出ているのだとか。

「長時間労働」や「無駄に長い会議」、「24時間・365日営業のお店がお客さんの数に比べて多すぎる」ことなどが、低い労働生産性の原因として考えられています。 他によく挙げられるのが、「便利を通り越した過剰なサービス」です。

僕は、ネットで買い物をすることがよくあります。 その中でも、「ヨドバシ・ドット・コム」というサイトを良く利用しています。 名前の通り、ヨドバシカメラのネット通販サイトです。

このサイトの凄いところは、「全ての商品が配送料無料」だということです(入会金、年会費も無料)。 ボールペン1本、消しゴム1個でも、無料で配達してくれます。 しかも、翌日どころか、注文した時間によってはその日の内に商品が届くのです(ここ静岡の場合)。 更に、ポイントがもれなく10%付いてくるのも嬉しいところ。

近所のお店で取り扱っていないような商品が、安く、早く手に入るので、大変に便利です。

でも、ここでちょっと考えてみます。 何もそんなに便利でなくてもいいんじゃないかなあ・・・、と。

今年の年末年始のこと。 31日の夜、僕はある品物を注文しました。大晦日の夜に注文した商品が、元日の昼過ぎにはちゃんと届きました。 僕がしたことは、パソコンを操作して、自分の部屋で商品の到着を待つ。ただそれだけ。

でもその背後には、注文を処理する人、在庫の引き当てをする人、配送の手配をする人、そして何より実際に配送をする人、と、たくさんの人の手が関わっていたはずです。 たった一つの商品を届けるために。

しかもそうして僕の手元に届いたその商品は、「オカヤドカリのエサ」だったりするのです。 どう考えても、多くの人の手を煩わせてまでお正月に取り寄せなければならないものではありません。

「過剰なサービス」は「それを求める消費者」がいて初めて成り立ちます。 僕たちは、少し立ち止まって考える必要があるのではないでしょうか。

日本の労働生産性の低下に拍車をかけているのは、便利すぎるサービスを当り前と感じている、僕たち自身なのではないか。 そう思うとき、僕はなんだか申し訳ない気持ちになるのです。 ほんの少しだけ「我慢すれば良かった」だけなのですから。

そんなわけで、うちのオカヤドカリにも、これからは少し我慢してもらうことにしました。 抗議の声が聞こえてきそうですが、この際無視します。

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