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うなぎ苦いかしょっぱいか

こんばんは。 ペルダ・コンサルティングの古橋です。

今年は「土用の丑の日」が2回あったそうです。 1回目は7月25日(火)、2回目が昨日8月6日(日)でした。

土用の丑と言えば「ウナギ」。 スーパーでもウナギが所狭しと並べられています。

土用の丑の日にウナギを食べる習慣は、江戸時代中頃に遡ります。 この習慣の由来は、「夏場に売り上げが落ちて困る」と鰻屋から相談を受けた平賀源内が

「土用の丑の日には夏負けしないためにもウナギを食べるのがよろしい」

と提案したキャンペーンが始まりで、それがいまだに続いているというのが通説となっています。

お菓子メーカーがバレンタインデーにチョコレートを贈る習慣を根付かせたのと似ていますね。

ところで、日本で主に消費される「ニホンウナギ」は、2014年から国際的に絶滅危惧種に指定されています。 3段階あるうちの上から2番目で、これはなんと「ジャイアントパンダ」や「トキ」と同じレベルです。 にもかかわらずスーパーで普通に売られているので、いまいち危機感が湧かない方が多いのではないでしょうか。

これに対して、先日の夕方のNHKラジオで、中央大学准教授・海部健三さんが 「供給側・消費者の双方に危機感が湧いていないから、いまだに平気で売られているのだ」 と仰っていました。

実際には、かなり危機的な状況らしいのです。

我々が普段口にするウナギのほぼ全てが「養殖ウナギ」です。

養殖だったらいくらでも殖やせるじゃないか、と思われるかもしれません。 ただ、卵から稚魚を孵化させ大きく育てる、という技術は未だ完成していません。

ここが牛や豚等の家畜と決定的に違う部分です。

養殖するための稚魚(シラスウナギ)は、天然から採ってくるしかないのが現状なのです。 そのシラスウナギが、採りすぎのために減っている。 にもかかわらず供給と消費の量が変わらないから、どんどん減り続けているというわけです。

栄養事情が現代より良くなかった江戸時代においては、

「夏バテ防止のために滋養豊富な鰻を食べましょう」

というのは、それなりに理にかなった話だったのかもしれません。 でも、ここ現代においては、栄養を取る手段として他にいくらでも選択肢があります。 その数多ある選択肢の中から、わざわざ絶滅の恐れのある生き物を選ぶ必然性があるとは到底思えません。

ウナギをおいしく頂くことは、確かに日本の大切な食文化のひとつと言えるでしょう。

でも、絶滅するかもしれない生き物を無自覚に消費している(あるいはしてきた)ことが、果たして誇るべき文化なのか。

僕たちの側にも、一度立ち止まって考える責任があるのだと思います。

・・・というわけで、僕は土用の丑の日にわざわざウナギを食べるようなことはしません。 (高くてお金が勿体ないから、という当たり前すぎる理由はさておき) その代わり、イワシを買ってきました。2尾で200円。 脂のたっぷり乗った夏のイワシです。

これで「イワシの蒲焼き」を作るのです。

① たれを作っておきます(醤油:大1、みりん:大2、酒:大1)。 ② イワシの頭を落としてお腹を出して、きれいに洗ったら、手開きにして水けを拭きます。 ③ イワシに小麦粉をまぶします。 ④ フライパンに油をしいて温め、イワシを並べます。フタをして、裏表2分ずつ焼きます。 ⑤ イワシからたくさん脂が出ますので、身を片側に寄せて、キッチンペーパーでふき取ります(←ポイント)。 ⑥ ①のたれを入れて、てりが出るまで1分くらい煮詰めます。

以上。簡単でしょ?

簡単な割に笑っちゃうくらいおいしいですよ。 ウナギよりうまいなどと言うつもりはありません(だってイワシだもん)。 でも、ウナギよりはるかに安く、また栄養も摂ることができ、なにしろお酒のアテに最高です(←最重要ポイント)。

ビバDHA。

旬の食材をおいしく調理していただく。 これだって、日本の誇るべき立派な食文化だと思うのです。

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