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社労士は電気羊の夢を見るか?

こんばんは。 ペルダ・コンサルティングの古橋です。

9月も今日で終わり。 朝晩は特に冷えるようになりました。 毛布一枚では寝冷えしかけるほどです。

9/25(月)の日経新聞にこんな記事が載っていました。 一部を引用します。

(以下、引用開始)

AI時代のサムライ業~代替の危機 新事業に挑む

 人工知能(AI)の利用が広がるにつれ、弁護士や弁理士など企業法務に関わる士(サムライ)業が「定型的な独占業務はAIに取って代わられかねない」と危機感を強めている。起業して新事業を始めたり、いち早くAIを取り入れたりするなど、業務の見直しに取り組む動きも出始めた。

(中略)

 行政書士の石下貴大氏が得意とするのは、産業廃棄物処理業に関わる許認可の書類作成と契約書作成だ。同氏は行政書士法人とは別に15年秋、新会社「weee」を共同設立。主な顧客である建設会社と産廃処理業者を結ぶ、電子契約書サービスを提供し始めた。  建設会社は、廃棄物処理法の許可を受けた運搬業者や処理業者に産廃処理を委託する。これまで行政書士は両者が交わす契約書のひな型を紙で作成し、双方に郵送、押印してもらっていた。  電子化で顧客は紙の契約書に必要な印紙代や郵送・保管代を大幅に節約できる。行政書士として受け取る報酬は変わらないが、石下氏は「電子契約書をきっかけに各地の業者の情報を集め、将来はAIで両者を結び付ける新事業につなげる」と戦略を描く。

(中略)

 定型的な独占業務によって安泰とみられてきたサムライ業。皮肉にも、その業務こそがAIの草刈り場となっている。

(以上、引用終わり)

また、AIによる代替可能性についてはこんな分析が紹介されています。

それぞれの士業のお仕事が、どれくらいAIによって代替される可能性があるのかという数字で、野村総研と英オックスフォード大との共同研究による発表です(2015年12月)。

・弁護士      1.4% ・司法書士    78.0% ・弁理士     92.1% ・行政書士    93.1% ・公認会計士   85.9% ・税理士     92.5% ・社会保険労務士 79.7% ・中小企業診断士  0.2%

「定型書類に情報を正確に書き込んで手続きする仕事」は、AIによる代替の可能性が高いという予測です。 中小企業診断士がやけに低いのは、「経営者を説得する能力などが重要で、代替可能性は低い」からだそうです。

行政書士や税理士、弁理士が90%を超える中で、社労士はかろうじて70%台をキープしています。 従業員のメンタルヘルスケア対策など、社労士の守備範囲が事務仕事に留まらないことが原因でしょうか。 ただ、これを見て「まだ安泰だ」という社労士はいないと思います。

現時点でさえ、当事務所の手続き業務の大半が「電子申請」に置き換わっています。

電子申請の利便性は当の僕たち本人が十分に実感しています。 さらに政府は電子申請の窓口「e‐Gov」の仕様を一般に公開しており、外部連携APIでの電子申請利用が急増しているそうです。

どういうことか。 ざっくり言ってしまうと、社労士用の業務ソフトではなく一般企業で使われている給与計算ソフト等でも、電子申請ができるようになってきているのです。 そしてAIの進化が、企業の電子化に拍車をかける。 手続き業務の電子化・自動化は、今後避けられないものとなるでしょう。

結果、定型的な手続き業務に対して顧問先から報酬を得る、という旧来のビジネスモデルは近い将来成り立たなくなるであろうことが容易に予想されます。

ただし逆に考えれば、これはチャンスでもあります。 手続き業務を最大限に効率化・省力化したうえで、お客様にどんな提案ができるのか。 社労士としての専門性をどのように向上させるか。 専門家がいつも傍にいるという安心感を如何にしてお客様に与えるか。

電子化のその果てにも、社労士ができること、やるべきことはまだまだ山ほどあるように思うのです。

とりあえず、こういう文章を書くのもそのうちAIがやってくれるようになるといいなあと思います。

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