この世界の誰も、正解というものを持っていない
こんな方に読んでほしい!
◎静岡市近郊で営業中
◎従業員数30名以下
◎活気ある職場づくりを通して業績アップにつなげたい
◎色々な人事施策を試したが、うまくいかなかった
◎ご年齢が30-50代の代表者様
こんにちは。社会保険労務士の杉浦です。

企業経営において、「これが正解だ」と言えるものには、どんなものがあるでしょうか?
人事労務の分野では、唯一の正解というものは存在しないと私は考えます。
ある仕組みがA社で成功したからといって、B社でも同じように成功するとは限らず、時代の変化や組織の文化、働く方の価値観によって、ベスト(ベター)なやり方は変わります。
そんな中で、「どうしたらうまくいきますか?」という相談が、困りごとのスタートであることが多いです。
「この評価制度がベストですか?」 「どの働き方改革の手法を導入すべきですか?」 「解雇や労務トラブルの対応に、最も適した方法を教えてください」
これらの質問に対し、プロであっても、明確な「正解」を持っているわけではありません。なぜなら、どの選択肢も一長一短があり、企業ごとに最適な解決策は異なるからです。では、私たちはどのように人事課題に向き合うべきなのでしょうか?
1. 「どうしたいのか?」「なぜ、そうしたいのか?」が解決の鍵
人事課題の解決策を探る上で、最も重要なのは、「問いを投げかけているあなたがどうしたいのか?」という視点です。
例えば、「テレワークを導入すべきか?」という相談があった場合、単純に「導入すべき/すべきでない」といった答えを出すのは簡単ではありません。
テレワークには生産性の向上やワークライフバランスの充実といったメリットがある一方で、コミュニケーション不足や労働時間管理の難しさといった課題も伴います。
このとき、重要なのは「なぜテレワークを導入したいのか?」という目的を明確にすることです。
従業員の働きやすさを向上させたいのか?
優秀な人材の流出を防ぎたいのか?
オフィスコストを削減したいのか?
目的が明確になれば、テレワークだけが選択肢ではなく、フレックスタイム制度やサテライトオフィスの活用など、別のアプローチも浮かび上がってきます。
このように、「なぜ?」を深掘りし、企業の価値観や方針に合った施策を考えることが、正解のない人事課題に向き合う最初の一歩なのです。
2. コンサルタントの役割は「正解を教えること」ではない
人事コンサルタントや社会保険労務士の役割は、「正解を提供すること」ではありません。むしろ、クライアントが自社に合った解決策を見つけるための“お手伝い”をすることが本質です。
例えば、組織の人間関係に悩む経営者が「ハラスメント研修を導入すべきか?」と相談してきたとします。これに対し、「導入すれば解決します」と単純に答えるのでは、少し急ぎすぎですね。
ハラスメント研修は確かに重要ですが、それだけで組織の風土が改善されるわけではありません。上司の関わり方、評価制度、働く方の意識改革など、多面的に考える必要があります。受け手が受け取る準備をしていなければ、研修をしても空振りに終わる可能性が高いです。
コンサルタントは、企業の状況を丁寧にヒアリングし、「どのような職場環境を目指しているのか?」という本質的な問いに向き合う手助けをすることが求められます。
3. 変化の激しい時代、かつての正解は通用しない
かつて「正解」とされた手法が、今では通用しなくなることは珍しくありません。
終身雇用や年功序列が当たり前だった時代は、「長く働いてくれる人材を優遇する仕組み」が正解に近かったかもしれません。しかし、現在は転職が当たり前になり、ジョブ型雇用や成果主義の導入が進んでいます。
また、かつては「毎日出社するのが常識」とされていた働き方も、コロナ禍を経てリモートワークやハイブリッドワークが一般化し、柔軟な働き方が求められるようになりました。
このように、時代の変化とともに「正解」とされるものは変わっていきます。企業がこれからの時代を生き抜くためには、「過去の正解に頼る」のではなく、「自分たちの環境に合わせた最適解を探し続ける姿勢」が重要です。
4. 「これだけやればOK」は存在しない
もし「これだけやっておけば、すべてがうまくいく」という万能薬があるのなら、日本はもっと豊かな国になっていたでしょう。
しかし、例えば同じビジネス商材を買って導入したとしても、実際には成功する企業もあれば、苦境に立たされる企業もあります。その違いは、「1つの何かに頼る」のではなく、「自分たちなりの答えを模索し続けること」にあります。
他社の成功事例をそのまま真似るのではなく、自社の状況に合わせてアレンジする
制度を導入して終わりではなく、試行錯誤を繰り返しながら改善を続ける
経営者と従業員が対話を重ねながら、納得感のある仕組みをつくる
このような姿勢こそが、変化の激しい時代において企業が生き残るための鍵となるのではないでしょうか。
人事労務の世界には、たったひとつの正解は存在しません。
✅ 「どうしたいのか?」「なぜ、そうしたいのか?」を考える
✅ コンサルタントの役割は“正解を教えること”ではなく、解決策を見つけるお手伝いをすること
✅ かつての正解はすぐに陳腐化するため、常に変化に適応する姿勢が重要
✅ 「これだけやればOK」はなく、試行錯誤を重ねながら最適解を探し続けることが求められる
こうした観点からもし言えるとすれば、正解は「皆さんの胸の中に」あると言えるかもしれません。
まずは「自分たちは何を目指し、なぜそうしたいのか?」という問いに、真正面から向き合ってみましょう。
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