それでも、助けを求めるのは大変。それって何で?ー受援力④ー
こんな方に読んでほしい!
◎静岡市近郊で営業中
◎従業員数30名以下
◎活気ある職場づくりを通して業績アップにつなげたい
◎心理的安全性の高い組織を作りたい
◎ピンチの時に助け合える組織にしたい
◎ご年齢が30-50代の代表者様
こんにちは。社会保険労務士の杉浦です。
周りに助けを求めることが苦手な日本人。
それでも、災害時や心身の不調時には助けを求めるべきであり、そうできる力を身につけていくことが大切とされています。
こうした助けを求めることを、「受援力」といいます。
前回の3回目の記事では、人に助けてもらうために必要な要素を見ていきました。
ただ、助けを求めること・助けてもらうことは分かったけど、それでも「とてもハードルが高い。大変」と感じられる方も多いのではないでしょうか?
今回は、そう感じるのはなぜなのか、内面を探っていきたいと思います。
できないことそのものや、できないことを相談することが、恥ずかしいor情けないと感じるから 「至らぬ点がありましたら」と文頭に置くことはないでしょうか。 一歩引いて謙虚であろうとすることは、日本人のいいところとして考えられます。 それが極まってしまうと、自分に欠けているものやできていないことに対して恥ずかしさを覚えるようになり、「こんなことも知らないなんて…」と思われることを嫌います。 足りないことについてのネガティブ思考。そしてその足りないことを、他の誰かに知られたくないというネガティブ思考が頭をよぎっているのではないでしょうか。
相談することで、相手の時間を奪いたくないから 誰しも、他の誰かに迷惑をかけることは避けたいですよね。 相談に乗ってもらう→相談相手が本来使えたはずの時間を、自分が助けを求めたせいで奪ってしまう→申し訳ないと謝る 頼ることについて、こういう自動思考が発生していないでしょうか。
「この程度の悩み」では、助けを求めるに値しないと思うから 仕事、育児、部活や家族関係等、悩みの種はどこにも存在しています。 ですが、その大きさの大小、そして感じ方は人それぞれですよね。 ここでは感じ方の部分がネックになっていると思われます。 「そんな悩みは、誰しも通るもの」「その程度のことで思い詰めているの?」「○○さんのところの方が大変だよ。それと比べたら、小さな問題でしょう」 ”種”に対する捉え方がそれぞれあるがゆえに、上記のように思われることを恐れる、あるいは「その程度の悩みに違いない(個人的には重大だけど)」と思いこむようにしている節はないでしょうか。
もっと困ったときまで待つべきだと思っているから 3番の先のお話ですね。 助けを求めることが必要だと分かってはいるけど、「きっとそれは今じゃない、もっともっと困ったときでないと」と待ってしまうことはありませんか? 自分以外にもっと切羽詰まった人を優先するべき、という優しさをもって待っている方もいらっしゃるかもしれません。
1から4番まで、当てはまると思う心の動きはあったでしょうか?
それぞれ、受援力を発揮するためには大きな障害となって立ちはだかります。
ですので、それは私たちの側から見た一面的な思い込みであって、必ずしもそうではない、という解釈を持ってみましょう。
できないことそのものや、できないことを相談することが、恥ずかしいor情けないと感じるから ⇒人間、完ぺきな人はそうそういません。簡単なことでも間違えるし、知らないこともたくさんあります。 声を上げてみたら、意外と同じように思っていた人が見つかるかもしれません。
相談することで、相手の時間を奪いたくないから ⇒相談を受けて、その人のお役に立ちたい人や、全面的に味方をしてくれる人がいます。 時間を奪ったのではなく借りていて、何かの折に返せば良いのです。 もっと言うと、受援の世界で貸し借り・損得はなく、ノーサイドで良いとも考えられます。情けは人と人の間をずっと巡っています。
「この程度の悩み」では、助けを求めるに値しないと思うから ⇒大きくなる前に小出しにできる方が、例えば分からないことを聞くときは、重大な失敗になる前に手立てを考えることができるでしょう。 あるいは、放っておくとうつ状態になってしまうかもしれないことも、小さいうちなら対処できるかもしれません。 むしろ、”この程度”と思える内に助けを求めていく方が健全です。
もっと困ったときまで待つべきだと思っているから ⇒その、「もっと困ったとき」の限界値は、どこまでと設定されていますか? おそらく、先週の時点で「Aまで行ったら、誰かを頼ろう」と思っていても、今週になったら「やっぱりBまで我慢しよう」となっているのではないでしょうか。 「もっと困ったとき」の見極めができないままでいると、行動を起こせずに最悪の事態になってしまうかもしれません。 今この瞬間が、一番困っていると思って良いのです。
受援力を発揮しづらい背景にあるハードル、撤去することは難しくても、上記のような高さ調節はできませんか?
高さ調節を、まずは「この人なら大丈夫」と思える人で試して、その次に大丈夫な人、そのまた次……と増やしていきましょう。
メンバーの居場所たるチームとしては、「声を上げてもOK」「むしろ、助けを求めてくれてありがとう」というメッセージの発信を心掛けていくことが、メンバーの受援力を育てることにつながります。
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