メンタルヘルスマネジメントの基礎知識・上司によるラインケアを学ぼう
こんな方に読んでほしい!
◎静岡市近郊で営業中
◎従業員数30名以下
◎活気ある職場づくりを通して業績アップにつなげたい
◎メンタルヘルスマネジメントに真剣に取り組みたい
◎ご年齢が30-50代の代表者様
こんにちは。社会保険労務士の杉浦です。
心の健康を保ちながら、充実した会社員生活・社会人生活を送っていくために必要なスキル、それがメンタルヘルスマネジメントです。
近年では、生きづらさを感じる人や閉塞感に悩む人も多く、体の健康にも悪影響があることから注目が集まっています。
今回は、メンタルヘルスマネジメントの中で、ストレスのケアの方法の一つ、「ラインケア」について学んでいきましょう。
ここでいうラインとは、会社を縦に見たときの一本線、つまり、部下から見たときの上司の方のことを指します。つまり、上司の方によるメンタルヘルスへのケア、これがラインケアということになります。
1.まず大事なのは、部下の健康状態を把握すること。
そのために、日頃からどのような人となりであるか・どういう状態が「通常モード」を知っていきましょう。
コミュニケーションを取らない(取る機会がない)状態になっていたり、現在のようにテレワークが浸透していたりすると、比較対象となる「通常モード」が把握できませんので、フォーマル・インフォーマルな話題どちらも含めて声掛けをしましょう。
そのうえで、部下の方にはどのような異変がありますか?
勤怠について、遅刻早退や欠勤が増える。
業務について、結果報告が上がってこなかったり、言葉少なになったり。
行動について、目と目が合わなかったり、飲酒喫煙の量が増えていたり。
こうした状況があった場合には、産業医の方や、産業医の方とお付き合いのない場合は「産業保健総合支援センター」を活用して、相談に応じられる体制を整えておきます。
2.実際に、部下の方から相談があったときには、「傾聴」の姿勢で臨みます。
部下の方の話に関心があるんだという意思表示を込めて、全身で向き合うこと。また、相手の立場に立ってみることがポイントです。
無理に解決までもっていこうとすることはありません。部下の方が、専門医にかかることに対して抵抗感を感じているようなら、無理強いはせず、上司の方が間に入って相談に行くというのも一つの手ですね。
3.休職から復職へ至る際には、部下の方は「自分はどう思われているか」「また悪化したらどうしよう」といったように、多くの不安を抱えています。
業務量や業務内容を復帰前と見直してみたり、存在が承認されるよう、マメな会話を心掛けたりすることが良いでしょう。
一方で、過度に気を遣いすぎる・特別扱いしすぎるというのも考え物です。
復職された方と現場、それぞれバランスを取ることを意識してみましょう。
メンタル不調に対して他人が関わるという面では、非常に難しい取り組みではあります。
しかし、中小企業は、大企業に比べて一人ひとりの顔が見えやすく、対話のチャンスも多くある=異変への気づきのきっかけも見えやすいということも事実です。
部下の方が心から安心して働くことができるためには、という気持ちを大切に、ラインケアの役割を考えてみましょう。
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