不安全行動はなぜ起こるのか?
こんな方に読んでほしい!
◎静岡市近郊で営業中
◎従業員数30名以下
◎活気ある職場づくりを通して業績アップにつなげたい
◎労災の発生経験のある事業所様
◎ご年齢が30-50代の代表者様
こんにちは。社会保険労務士の杉浦です。
労災が起こる際、原因となることが多いのが「不安全行動」です。
不安全行動とは、労働者本人または関係者を危険にさらす可能性のある行動を、意図的に行うことをいいます。
手間や時間を惜しんで、「この工程は省いても大丈夫だろう」「いちいち装着したりするのはめんどくさい」といった理由から、本来安全のために必要な手順をやめてしまった結果、労災につながってしまうケースです。
(どんな作業にも、労災のタネは潜んでいます。)
不安全「行動」というときは、働く方の考えや意思が働いていますが、原因を考える時には不安全「状態」というのもあります。
以下、その2つの例を見ていきましょう。
【労働者の不安全行動】
[1]防護・安全装置を無効にする
[2]安全措置の不履行
[3]不安全な状態を放置
[4]危険な状態を作る
[5]機械・装置等の指定外の使用
[6]運転中の機械・装置等の掃除、注油、修理、点検等
[7]保護具、服装の欠陥
[8]危険場所への接近
[9]その他の不安全な行為
[10]運転の失敗(乗物)
[11]誤った動作
[12]その他
【機械や物の不安全状態】
[1]物自体の欠陥
[2]防護措置・安全装置の欠陥
[3]物の置き方、作業場所の欠陥
[4]保護具・服装等の欠陥
[5]作業環境の欠陥
[6]部外的・自然的不安全な状態
[7]作業方法の欠陥
[8]その他
調査では、不安全行動が原因の労災は全体の95%以上にもなるという数字が示されています。
ここをカバーすることが、労災を減らすことに直結するということがおわかりいただけたかと思います。
ところで、不安全行動は、働く方のみがキーポイントというわけではなく、
①労働者の要因
②作業の要因
③作業環境の要因
④安全管理の要因
⑤組織の要因等
といった複数の要因によって起こるとされています。
これらを踏まえた上で、どのようにすれば不安全行動は減っていくでしょうか?
1.声掛けの徹底
皆様側から、常に労災防止に関するメッセージを発信していきましょう。告知分や貼り紙などは、一定の期間が経つと慣れてしまうことが考えられますから、1か月ごとくらいでレイアウトや内容を見直していきましょう。
2.定期的な教育
労働法によって、いつのタイミングで教育するか、というものは決まってはいますが、事故になる前に先手を打って、定期的に行うのも良いでしょう。「普段からこういうことしてるなぁ、気を付けなきゃ」と気づくチャンスを増やすということです。
3.作業標準の作成
仕事によっては、働く方の感覚に任せられている部分も多いと思います。
たとえばすべての電源を落として現場を後にするような場面では、「どういう順序で電源を落とすのか」、その作業の標準を作っておきます。
4.事例のシェア
同じ業種で起こった労災について、2.のような教育の現場でシェアしあったり、それについて、どこに落とし穴があったのかを考えたりするのも良いでしょう。
5.安全行動を承認してあげる
意外と盲点かもしれませんが、不安全行動をしたときに注意することと、安全行動=正しい手順での作業をしたときに褒めてあげること(今の順序でOK!よかったよ!)、この両輪はすごく大事と感じます。
夏休みの宿題、怒られるのはわかっているのに(何なら常日頃怒られている)、8/31までため込んで自分の首を絞める…。
日々取り組めていることを評価してもらえれば、それを続けようと思えるものです。
今年は終了してしまいましたが、毎年全国安全週間というものが夏ごろ設定されています。
ご高齢の方が増えることで労災の可能性も高まりますので、ぜひこの強化週間にかかわらず、上記の対策に取り組んでみてはいかがでしょうか?
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