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不幸なすれ違いを生むアンコンシャスバイアス③確証バイアス

こんな方に読んでほしい!

◎静岡市近郊で営業中

◎従業員数30名以下

◎活気ある職場づくりを通して業績アップにつなげたい

◎ご年齢が30-50代の代表者様


こんにちは。社会保険労務士の杉浦です。

ビジネスの世界でも、人間関係や判断において潜在的に影響を与える要素が存在します。それが「アンコンシャスバイアス」です。

アンコンシャスバイアスとは、無意識のうちに私たちが持つ先入観や偏見のこと。これが私たちの判断や意思決定に影響を及ぼすことがあります。

例えば、こんなことはありませんか?


・有名企業出身の人物に対しては、自然と高い評価をしてしまう

・外見や出身校に基づいて、優劣を判断してしまう


こうした無意識の先入観は、人事評価の場面では、評価エラーなどとして、時に課題に挙げられます。

いくつかあるアンコンシャスバイアスの中で、今回ご紹介するのは「確証バイアス」です。






確証バイアスとは何か

確証バイアスとは、自分の信じることを裏付ける証拠を探し、その証拠を強調する傾向のことを指します。

言い換えれば、自分が心から信じる信念(固執する、とも言えるでしょうか)や意見を支持する情報に注意を向け、それに反する情報を無視する傾向があるということです。


このバイアスは、私たちが新たな情報を受け入れる際に、客観性を欠き、主観的な視点に固執しやすくなることを意味します。

そして、確証バイアスの影響を受けた結果、誤った判断や不幸な意思決定が生まれることがあります。


例を見ながら考えてみましょう。


1. 政治的な信念

ある特定の政治的な信念を持っている人がいるとしましょう。この人は、その信念に基づく情報を積極的に収集し、その信念を支持するデータや意見に耳を傾けます。集会や応援演説にも参加するし、フォローしているXのアカウントは、その政治思想の人のものだけです。

しかし、反対の立場や情報にはあまり注意を払わないかもしれません。そういったものを”シャットアウト”してしまったり、”絶対におかしい”と決めつけたりします。

これにより、偏った意見を持つことになり、政治的な議論や決定において客観的な判断が難しくなります。

「君とは議論にならない」なんて言ってしまう人は、周りにいませんか?


2. 投資判断

特定の投資に対して、熱心に追いかけている人がいます。この場合、その人は自分の投資判断を裏付ける情報を積極的に収集し、成功事例や良いニュースに焦点を当てるでしょう。

一方で、リスクや失敗事例に対してはあまり注意を払わないかもしれません。この確証バイアスの影響を受けることで、投資判断が不適切になり、損失を被る可能性が高まります。

成功だけし続ける投資は大変難しく、リスクについてもよくよく調べなければならないでしょう。



3. チーム内の意見形成

経営者がリーダーシップを発揮する場面でも確証バイアスは現れます。経営者があるアイデアを提案したとき、そのアイデアに賛成の声が出た場合、経営者はその賛成を大いに支持して、成功する確信を持つことがあります。

一方で、反対の意見があった場合、それを軽視し、アイデアを実行する可能性が高まります。

「やりたい」だけで「やりたい」を補強する情報ばかりを集めるのではなく、商圏や業界の状況、費用感などいろいろな視点から意見を集めることが大切ですね。



確証バイアスの影響

確証バイアスが経営者に与える影響は深刻です。このバイアスに陥ると、以下のような問題が発生する可能性があります。


1. 偏った情報収集

確証バイアスによって、自分の意見や信念を裏付ける情報を選んでしまいがちです。

結果として、全体像や対立する意見を見落とすことがあり、意思決定の質が低下します。


2. 誤った判断

確証バイアスが働くと、自分の信じることを強調し、それ以外の情報を軽視するため、誤った判断を下すリスクが高まります。

これはビジネス戦略や投資判断において特に危険です。


3. コミュニケーションの障害

確証バイアスに陥った人は、他者の異なる意見や視点に対して耳を傾けることが難しくなります。

これがチーム内のコミュニケーションの障害となり、協力や創造性が妨げられます。




確証バイアスを克服する方法

確証バイアスを克服するために、以下の方法を実践してみましょう。


1. 自己認識と意識化

確証バイアスに気づく第一歩は、自分がこのバイアスに陥っていることを自覚することです。

常に自己監視し、意識的に確認しましょう。

その信念には、事実やデータによる裏付けができるでしょうか?


2. 対立する意見を探す

自分の信じることとは異なる情報や意見に積極的に触れるよう努力しましょう。

他者の視点を理解し、客観的な視野を保つために役立ちます。

例えば、育児休業に入る方と、その方の業務をフォローする方。あるいは、お金を浪費する人と、大事に貯金する人。

自分にない信念を「おかしい」ではなく「なぜそう思うんだろう?」と思えるようになるといいですね。


3. 判断プロセスの透明化

自分の判断プロセスを他者と共有し、議論することで、確証バイアスを軽減できます。

透明性を持つことは、信頼と共感を築く手助けにもなります。

上記の通り、「なぜそう思うんだろう?」がお互いに分かっていると、それぞれの人となりが見えてきて良いのではないでしょうか。


自分軸を持ち、それに沿って行動するということはとても大切なことです。

ぶれない意志があることで、迷いのない人生を送ることができます。

しかし、あまりにも盲目的になってしまうことには注意が必要です。経営者として、客観性を保ち、異なる視点に耳を傾けることが成功に繋がる鍵です。

情報にあふれた社会ではありますが、意思決定の際には、バランスよく意見を集めることを心掛けましょう。

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