同一労働同一賃金・均衡と均等って何が違うの?:均衡待遇編
- hi-perda
- 2022年8月14日
- 読了時間: 3分
こんな方に読んでほしい!
◎静岡市近郊で営業中
◎従業員数30名以下
◎活気ある職場づくりを通して業績アップにつなげたい
◎ご年齢が30-50代の代表者様
こんにちは。社会保険労務士の杉浦です。
同一労働同一賃金では、正社員と非正規社員との間で「均衡待遇」「均等待遇」の2つを見ていく必要があります。
ぱっと見、どっちがどっち?言葉が似てるけど何が違うの?とお感じになる方も多いのではないでしょうか?
今回は、まず「均衡待遇」について考えていきましょう。

ぱっと見同じでも、違うのかもしれない。
パートタイム・有期雇用労働法第8 条の記載は次の通りです。
短時間・有期雇用労働者と正社員との間で、①職務の内容、②職務の内容・配置の変更の範囲(人事異動や転勤の有無、範囲)、③その他の事情を考慮して不合理な待遇差は禁止しなければならない。
非正規社員の方をニワトリ🐓さん、正規社員の方を白鳥🦢さんとして見ていきましょう。
①-1.業務内容
🐓:調理、レジ担当
🦢:商品開発、調理担当
同じ内容といえるのかどうかは、厚生労働省が決めた分類を目安として確認し、主な業務を比較して、実質的に同一といえるのかを判断していきます。
このお二人は、一部違う職務内容と言えそうです。
①-2.責任の程度
🐓:レシピに基づいて調理、レジ締めの不合について責任は負わない
🦢:新レシピの開発を、ニーズの把握から求められる。好評不評について責任あり
🦢のほうが責任は重そうです。
この2点から、同じ業務をしていたとしても、責任の程度に違いが見られる場合には、「職務の内容」は異なると読み取って、その「職務の内容」の違いに応じた待遇差についてはOKと判断されることになります。
②職務の内容、配置の変更の範囲(人材活用の仕組み)
🐓:転勤なし、調理とレジ担当でずっと変わらない
🦢:転勤なし、ゆくゆくは営業や店長職への異動可能性あり
転勤のありなし、そして転勤の移動範囲は全国区なのか。また、人事異動による配置転換や昇進等のありなしといった具合で、範囲がどのように異なるのかを考えます。
中小企業で考えたとき、転勤がある会社さんは多くないものと思われます。
このお二人もそのようですが、🦢は職務内容が変更になる可能性があるみたいですね。
③その他の事情
🐓:勤続2年目、前職はネジ工場のアルバイト、正社員登用制度あり
🦢:勤続10年目、前職はレストラン正社員
職務の成果、能力、経験
合理的な労使の慣行
労使交渉の経緯
定年後の継続雇用
正社員登用制度の有無や実績
①や②以外の判断材料です。🐓はまだ経験が浅い方ですが、🦢はその道が結構長いようです。また、🐓には正社員になれる道があります。
以上の3要素を見てみて、「違いがあるのであれば、その違いなりにバランスをとる」ということが、均衡待遇となります!
「同じ仕事をしていれば、同じ賃金にすることが求められる」というばかりではないケースが、ちゃんと検討していくと結構当てはまるのではないでしょうか?
次回は、均等待遇について見ていきましょう。
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