否定的な認知と、見方を変えるトレーニング
こんな方に読んでほしい!
◎静岡市近郊で営業中
◎従業員数30名以下
◎活気ある職場づくりを通して業績アップにつなげたい
◎ご年齢が30-50代の代表者様
こんにちは。社会保険労務士の杉浦です。
マイナス思考がマイナス行動を生み、そのスパイラルによってうつ状態になってしまうということについて、前回の記事で触れました。
今回は、否定的な認知を取り上げ、それを和らげていく方法である認知療法・認知行動療法についてお話しします。
これは、ストレスを軽減し、より良い心の健康を促進するための手法です。
◎認知療法・認知行動療法とは?
認知療法・認知行動療法は、出来事、自動思考、感情、行動の関係に着目したものになっています。
私たちの感情や行動は、特定の出来事に対する自動思考に影響を受けます。この療法は、心のストレスを軽減し、心の強さを育てるために、自動思考にアプローチする方法です。
◎自動思考が感情や行動に与える影響
自動思考は、特定の状況に対する私たちの瞬間的な考えやイメージです。この自動思考が生まれると、それによって私たちの気持ちや行動が影響を受けます。
同じ出来事でも、自動思考(見方)が異なれば、感じる気分や身体の反応、行動が大きく変わります。
たとえば、夜道で迷子になった場面を考えてみましょう。
・自動思考が否定的なとき:「何でこんなところで迷子になるんだろう」「本当に自分はダメだなぁ」「このままたどり着けなかったら、死んでしまう」→憂鬱や怒り、不安
・自動思考が肯定的なとき:「ここを下れば、町が見えてくるはず」「冒険しているみたい」「たまには、いい運動になる」→希望や安心
つまり、同じ状況でも、自動思考によって私たちの感情や行動は変わるのです。
◎認知療法・認知行動療法の目的
この療法の目的は、否定的な自動思考を柔軟かつバランスの取れた新しい考えに変えることです。そうすることで、ストレスを軽減し、より健康的な心を築く手助けをします。大切なのは、あなた自身を責めるのではなく、自分の考え方を変えることです。ここまで登場してきた認知とは、「現実の受け取り方」や「ものの見方」のことです。この認知を変容していきましょう。
◎否定的な認知の特徴
ストレスがたまると、私たちは自分自身、周囲の人々、そして将来に対して否定的な考えを持ちやすくなります。
前回の記事でも、以下のような否定的な認知の特徴を挙げました。
1. 自分のことをマイナスに考えすぎる
自己否定的思考: 自分の能力や価値を過度にマイナスに考えます。例えば、「集中できないし、物覚えも悪い。自分はダメな人間だ。」と考えることがあります。
自己責任: 過度に自分を責めることがあります。失敗や困難に遭遇したとき、自分自身に非を求める傾向があります。
2. 周りの人やものごとをマイナスに考えすぎる
過度な悲観主義: 十分に考えずに、もうダメだ、うまくいかないと決めつけることがあります。小さな問題を大きく考える傾向があります。
深読み: 他人の気持ちを深読みしすぎ、一種の“被害妄想”に陥ることがあります。他人が自分を嫌っていると感じる、また「嫌われているかも」と、距離感を取ることで、相手にも「私のこと嫌いなのかな?」と誤解を生むこともあります。
3. 今後のことを前向きに考えられない
あきらめ: 「どうせダメだ」と初めからあきらめてしまうことがあります。将来の可能性を見出せず、今の状態は変わらないと思い込むことがあります。
こうした否定的な認知が現れたときに、立ち止まり、問題を見つめ直し、新しい考え方を探ることで、違った視点が見えてくることがあります。
悩みや生きづらさの根源は、「自分自身」に原因があるのではなく、「考え方」にあるかもしれません。
その考え方を変えることで、ストレスを軽減し、より良い生活を築くことができます。自分自身を否定せず、自分の考え方にアプローチし、ストレスを軽減してみてください。
次回は、実際の認知行動療法(認知行動変容アプローチ)の進め方について見ていきます。
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