四角い穴に、星型のピースを入れようとしても痛いだけ
- hi-perda
- 15 時間前
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こんな方に読んでほしい!
◎静岡市近郊で営業中
◎従業員数51名以上
◎活気ある職場づくりを通して業績アップにつなげたい
◎ご年齢が30-50代の代表者様
◎指導や助言に対して、部下から反発を受けたことがある
こんにちは。社会保険労務士の杉浦です。
「このやり方で覚えろ」「まずは言われた通りにやれ」。
会社では、上司が部下に決まったやり方を教え込むことで、業務をスムーズに進めようとするのが一般的です。
しかし、教えた通りにできなかったり、本人は「分かりました」と言っているのに、違ったことをしていたりという状況になってはいないでしょうか?
そうして、ついつい「何で言われたとおりにできないんだ」と言っていませんか?
そうした背景には、「その部下にはその教え方が合っていない。別の教え方が良い」ということがあるかもしれません。
この状況を、積み木パズルに例えて考えてみましょう。

星型のピースを四角い穴に入れるのは無理がある
今までの教え方を「星形の木のブロック」とすると、今の若手社員の気持ちは「四角い穴」をしているようなものです。
この星形のブロックを四角い穴に無理やり押し込もうとしても、当然うまく入りません。四角い穴には、四角い木のブロックしか入らないからです。
それなのに、力を入れて押し込めば押し込もうとすると、ブロックは傷つき、穴も壊れ、最悪の場合、どちらもダメになってしまいます。
つまり、「このやり方を覚えろ」と上司が押し付けても、部下が納得していなければ、覚えるどころかストレスを感じ、やる気を失ってしまうのです。
そして教える側も、ずっとやってきたうちのやり方を、なぜ覚えないんだとストレスを感じてしまいます。

部下を「星型」に加工すればいいのか?
「ならば、四角い穴のほうを削って、星型のブロックが入るようにすればいいのでは?」と考えられたかもしれません。
これは、上司が部下に対し「考え方を変えろ」「意識を変えろ」と、相手の受け止め方を書き換えようとすることです。
確かに、強制的に環境に適応させることで、一時的に成果が出るかもしれません。
しかし、無理に形を変えられた部下は痛みを感じ、最終的には仕事に馴染めず辞めてしまうことも考えられます。
実際、離職の理由として「仕事が合わない」「思っていたのと違った」という声はよく聞かれます。これは、「星形のブロックを無理やり四角い穴に入れようとし、かつ四角い穴を星形に加工しようとして失敗した」典型的な例です。
では、どうすれば部下にうまく仕事を教えることができるのでしょうか?
会社や上司が、伝え方を変えるべき時代
これからの指導に求められるのは、部下一人ひとりに合った伝え方を見極めることです。
つまり、会社や上司の側が「教え方を変える」ことで、穴の形にあったブロックを探し、はめるようにするのです。
具体的には、次のような工夫が考えられます。
1. まず、部下の「ブロックの穴の形」を知る
どんな価値観を持っているのか?(たとえば、安定志向なのか挑戦志向なのか)
どんな学び方が合っているのか?(口頭で説明されるのが得意なのか、手で書いて覚えるのが得意なのか、目で見て覚えるのが得意なのか)
どんな仕事の進め方を好むのか?(一つずつ丁寧に進めるタイプか、まずやってみて、自分で考えながら進めるタイプか)
部下の特性を理解することで、「どう教えれば伝わるのか?」のヒントが見えてきます。
そのためには、しかけたアプローチでうまくいったかそうでないか、ノートに書きとるのが効果的でしょう。うまくいかなければ、違うブロックを用意すればいいのです。
2. 一律の指導ではなく、柔軟なアプローチを
昔ながらの「背中を見て覚えろ」というスタイルでは、今の若手には通じにくくなっています。一方で、すべてを手取り足取り教えればいいわけでもありません。
例えば、こんなアプローチが効果的です。
指示を出すときは、理由を添える(「この方法には、こういうメリットがあるよ」)
最初にやり方を教え、応用を許容する(「まずはこの方法を試して、慣れたら自分なりの工夫をしていい」)
フィードバックをこまめに行う(「このやり方、いいね!」と伝え、自信を持たせる)
このように、「型」を示しつつ、個人の裁量を尊重することが、効果的な指導につながります。
3. 仕事の目的を共有する
仕事において、手順だけを教えるのではなく、「なぜこの仕事をするのか?」を伝えることが大切です。
例えば、マニュアルに書かれた通りに作業をさせるだけでは、部下は「言われたことをこなすだけの人」になってしまいます。人によっては、やりがいを感じられないと思ってしまうかもしれません。
しかし、仕事の目的や意義を理解すると、自分なりの工夫が生まれ、主体的に動ける人材へと成長していきます。
いかがでしょうか?
✔ 「決まったやり方」だと押し付けても、部下は覚えられない。むしろストレスを感じる。(上司の側も、うまくいかない様子を見てストレスを感じる。)
✔ 部下に無理やり適応させようとすると、心の痛みとなって、結果的に退職につながることもある。
✔ これからの指導では、「今までと違う伝え方を試し、しっくりくるものを探す」ことが求められる。
✔ 部下一人ひとりの特性を理解し、柔軟なアプローチで指導することが大切。
「星型のピースを四角い穴に入れようとする」のではなく、ぴったり入るピースを探す=うまくはまるように、違う教え方を考えることが、これからの経営者やリーダーに求められるスキルです。
「うちの部下は、なぜ言うことを聞かないのか?」と悩んだとき、もしかすると、それは部下の問題ではなく、「教え方のミスマッチ」が起きているだけかもしれません。
組織の成長には、色んな形をしたブロックを用意し、はまるかどうか見極めることが必要なのです。
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