後知恵バイアス×後出しじゃんけん×逆張りオタク
こんな方に読んでほしい!
◎静岡市近郊で営業中
◎従業員数30名以下
◎活気ある職場づくりを通して業績アップにつなげたい
◎ご年齢が30-50代の代表者様
こんにちは。社会保険労務士の杉浦です。
評価エラーのお話で、代表的な6つのエラー
1.ハロー効果
2.中心化傾向
3.期末効果
4.寛大化傾向&厳格化傾向
5.逆算化傾向
6.論理誤差
を学んできました。
また、それとは別に「平均以上効果」という、自分は平均より優れていると考えてしまうものも学びました。
今回はさらに新しい心理的傾向、「後知恵バイアス」を見ていきましょう。
後知恵バイアスは、物事が起きた後に「あー、やっぱりそうなったじゃん、言わんこっちゃない」と、知っていたかのように論評することを言います。
実際には、事前に予測できないことも、あたかも予測できていたかのように言うので、言われた側は「言わんこっちゃないって、そんなこと前もって言ってもらってないけど…」と困惑し、不信感を抱かせてしまいます。
後知恵バイアスが起こってしまうのには、「そう感じた出来事」の過程に、普段からあまり注目していないことが1つの原因です。
たとえば自分で一から十まで行っているのであれば、入り口も過程も出口もすべて把握しているので、「そうなって当然だよね」と合点の行くことが多いと思います。
これが、他の人が加わって進めていくことになると、自分の管轄外の出来事が発生してきます。
もしここで間違いが起こる前にフォローを入れられていたら、「前もって言ってもらってない!」ということは避けられますよね。
そのために、過程をぼんやりさせておくのではなく、意見する立場にある以上、過程に対しても「当事者意識を持つ」ことが重要ではないでしょうか。
また、「過信してしまう」ことも原因と言えます。
ここまで失敗を例にしてきましたが、後知恵バイアス自体は成功した時でも発生することがあります。
大きな成功を収めた部下がいて、その人に対して「ほら、私の言ったとおりになった!」と後出ししてくるようなケースです。
自分としてはもともと期待していなかったのに、結果として良い方向に行ったということで、「予想と違う」=恥ずかしい、苦痛という気持ちがわいてきます。この発言をしてしまう前後のギャップを埋めるために、後知恵バイアスは存在していると言えるでしょう。
この後知恵バイアスを回避することは至難の業です。初めから「絶対に後出しじゃんけんはしないぞ!」とするよりも、
・結果だけに釣られて論じてしまいがちな自分がいるんだ、という腹積もり
(思い切って、批評は背景を十分に知っている人に任せる、など)
・「だから言ったのに」という結果以外の結果が起こる可能性を信じる
(格上の相手との対戦に、『勝てるわけがない』と思いこむのではなくて、『隙があれば勝てる可能性だってある』と信じること、など)
というように、後知恵バイアスありきで考えるのが良いでしょう。
最近では、逆張りというのも話題になります。
【「このアイドル、絶対売れるよ」と思う→”売れなかった”という事実→「全然売れないじゃん」と非難されるのが嫌】→だから、初めから「売れるわけない」と思いこむ。
【「どんな厳しい戦いでも、日本代表はいい戦いをしてくれる!」と思う→”1次リーグ敗退”という事実→「実力差的に厳しいの、わからないの?」と言われるのが嫌】→だから、初めから「どうせ勝てないでしょ」と思いこむ。
それぞれ、「どうせ○○」と思っておいて、いざ”売れたり””勝ち上がったり”したときには「まあ良かったんじゃないの」と言い、本当に”売れなかったり””負けてしまったり”したときには「それ見たことか」と言う。
自分の大好きに嘘をついて、斜に構えた応援をしても、応援する側もされる側もハッピーな気持ちにはなれません。
いつでも本気=当事者意識で、まさかの事態だってある=可能性を信じるというスタンスで接してくれる方が、まっすぐで素直な気持ちが伝わるので、私は素敵だなと思います。
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