心理的安全性を高めるワードチョイス_「いいよ、後は引きとるから」→なんて言い換える??
こんな方に読んでほしい!
◎静岡市近郊で営業中
◎従業員数30名以下
◎活気ある職場づくりを通して業績アップにつなげたい
◎心理的安全性の高い組織を作りたい
◎ご年齢が30-50代の代表者様
こんにちは。社会保険労務士の杉浦です。
心理的安全性の高い状態とは、「誰もが対人リスクを感じずに、目的に向かって学習するチームを作ることができる」状態を指します。
そのために、メンバー全員が、お互いの思いをお互いに伝えられ、承認しあえることが大切です。
一方で、まだまだ今の日本のチームや会社では、心理的安全性を確立できない言動が多く見受けられます。
どのように心理的安全性を高める取り組みをしていくか、「心理的安全性を高めるワードチョイス」と題して、特集していこうと思います。
(あの仕事どうなってる?)
◎いいよ、後は引きとるから
仕事ぶりが遅いように見えたので、自分でやった方が早いと感じて引き取ってしまうこと、ご経験はありませんか?
実際にその通りだとは思います。
任せた部下の方に、その仕事の経験がないのであれば、経験のある上司の方の方がうまく早くできるのは間違いありません。
ですが、長い目で見たときに、ここには問題点が2つあります。
①部下の方の主体性・権限を奪う
「いいよ、後は引きとるから」と言われて仕事を持っていかれてしまうと、部下の方の対人リスク「無能と思われたくない」気持ちが傷つけられてしまって、その後頼まれる仕事や自分でやる仕事について、自信を持って取り組むことが難しくなっていきます。
人は主体性が担保されていたり、ありのままに言動できる権限があったりすることで心理的安全性を感じられ、良いパフォーマンスを発揮できます。これも奪ってしまうことになるわけですね。
②成長の機会を逃す
この場合の成長は、部下の方はもちろん、上司の方・会社そのもののの成長を指します。
もし責任をもって頑張っているところから仕事を回収してしまうとすると、その仕事を通じて得られた経験値もふいになってしまいます。
上司の方にとっては、部下の方に仕事を預けることで新しい領域にチャレンジすることが期待されていると思われますが、これも未達成。
その結果、会社は「部下が1つでもできることを増やしてくれる」「上司がチャレンジしてくれることで新事業のきっかけをつかめる」という機会を逃してしまうことになるわけです。
期待をかけて任せてみたいけど、時間はそんなに待ってくれない…。そんなときには、「明確さ」を言葉に乗せてあげるのが良いのではないでしょうか。
→「ここまでできてくれれば、今の時点ではOKだよ」
作業標準が固まっている仕事を渡すのであれば、「今の時点で、この人にはちょっと難易度が高いかもな。でも1から4の工程までだったら、アドバイスなしでも行けるか」というように、部分部分でできる・できないということが分かると思います。
仕事を渡す前に、事前にそれを明らかにしてあげることで、部下の方も安心して取り組むことができるでしょう。
その仕事を完了して、皆さんのところへ持ってきてくれた時に、「その先の工程にも、次は取り組んでもらいたいと思っているよ」と言ってあげるのもいいかもしれませんね。気にかけているよ、期待しているよということを伝えてあげます。
こういう言葉で仕事を渡すことは、上司の方にとっても良いことがあります。
渡した部分まではできるだろうか、これからはその先を任せても平気だろうか、という見極めポイントを明確にできるということ。
そして、今回は引き取るポイントが分かっているから、その余暇時間を使って、やりたかったことが少し進められるかな、という当たりを付けられるということ。
「ここまでできてくれれば、今の時点ではOKだよ」という言葉1つで、いろいろなものが見えやすくなり、部下の方も上司の方も、どちらも安心・納得して仕事することができます。
もし作業標準ができていないようであれば、この機会にぜひ考えてみましょう。業務効率化の取っ掛かりの1つに、作業分解というものもありますが、仕事を切り出して時間を作りだすのも、ある意味では重要な仕事の1つと言えるのではないでしょうか。
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