心理的安全性を高めるワードチョイス_「何してくれてんだ!?」→なんて言い換える??
こんな方に読んでほしい!
◎静岡市近郊で営業中
◎従業員数30名以下
◎活気ある職場づくりを通して業績アップにつなげたい
◎心理的安全性の高い組織を作りたい
◎ご年齢が30-50代の代表者様
こんにちは。社会保険労務士の杉浦です。
心理的安全性の高い状態とは、「誰もが対人リスクを感じずに、目的に向かって学習するチームを作ることができる」状態を指します。
そのために、メンバー全員が、お互いの思いをお互いに伝えられ、承認しあえることが大切です。
一方で、まだまだ今の日本のチームや会社では、心理的安全性を確立できない言動が多く見受けられます。
どのように心理的安全性を高める取り組みをしていくか、「心理的安全性を高めるワードチョイス」と題して、特集していこうと思います。
(絶対許さない!)
◎何してくれてんだ!?
ミスの報告が上がってきたとき、つい言ってしまっていませんか?
「どうしてくれるんだ!?」とかも似たような表現ですね。
責任を取らなきゃいけない立場やかっちりと決まったスケジュール、そして何より相手方に対する申し訳なさがあるので、ついカッとなって発してしまうのではないでしょうか。
「何してくれてんだ!?」と言われた方は、実はミスを伝えに行った時点で、「どうしよう」という不安、「気をつけなきゃ」という反省を心のうちに持って来ています。
ここで「何してくれてんだ!?」と言われると、「失敗を報告すること」について恐れの感情=無能への恐れという対人リスクが生じて、今後のミスの報告が遅くなったり、もはや報告が上がってこなかったりという逆効果が生まれてきます。
でも、「何してくれてんだ!?」と言ってしまった方は、仕事に対して誠実・熱い方なのだなと思います。その気持ちの表現方法が、ちょっと荒っぽいだけ。
これから見ていくワードチョイスでアプローチしていけば、仕事への誠実さを傷つけずにさらに良い上司になれます。
では、どのように言い換えるのが良いでしょうか?
→報告してくれてありがとう。
部下の方の、ミスして不安だという感情に、さらに無能と思われるという対人リスクを上乗せするのではなく、報告してきてくれたことを受け入れます。
この言葉1つで、私の居場所はここにあるのだ、私のことを思ってくれているのだという承認がなされます。
・ミスをしたから報告した→徹底的に叱責された→嫌な気持ちになったから、もう報告はしない
というのが言い換え前の流れ。嫌子による行動の弱化、というものです。これが、「報告してくれてありがとう」を使うと、
・ミスをしたから報告した→報告してくれたことに感謝してもらえた→いい気持になれたから、今後も報告する
という流れに変わります。好子による行動の強化、というものです。
言葉の違いだけで、リスクマネジメントに大きな効果があることが分かりますね。
加えて、「今の時点で、どういうケアができているか教えて?」とか、「一緒に対応していこうね」と添えてあげるとなお良し。
まだ何とかなる、大事なのはここからどうしていくか。
チームとして、その後の対応について、絶対に1人にしないよ、見捨てないよというメッセージが届けられることほど、安心を感じられることはありません。
時代小説「坂の上の雲」の一節で、秋山真之が唱えたものとして
「短気は損気、急がば回れ」
というものがあります。
「何してくれてんだ!?」という一時の気持ちに身を任せるのではなく、長い目で見てどう声をかけるのが良いか。職場だけでなく家庭の中でも訓練を重ねることが大事です。
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