日本CSR推進協会セミナー①「AIと労働 ~職場と労働に起こっている変化と今後の展望~」に参加しました
こんな方に読んでほしい!
◎静岡市近郊で営業中
◎従業員数51名以上
◎活気ある職場づくりを通して業績アップにつなげたい
◎ご年齢が30-50代の代表者様
◎AIを業務に取り入れようと考えている
こんにちは。社会保険労務士の杉浦です。
日本CSR推進協会のウェブセミナー、「AIと労働 ~職場と労働に起こっている変化と今後の展望~」に参加しました。
去年までのAI事情と今年のAI事情、1年経つだけでも大きく変化・進化を遂げています。そんな環境下で起きている問題や課題についてのセミナーでした。
今回は、パネリストの皆様のお話をお伺いした内容と感想をまとめてみようと思います。
①AIに取って代わられるということではなく、”何のために使うのか?”
職場におけるAI技術の活用と従業員への影響についてのパートでは、AIの導入は人員削減を目的としたものではなく、業務効率化によるサービス向上を目的としたものが、国内外とも共通していた、というお話がありました。
目的意識を持たずに導入すると、現場もついていけずに混乱してしまうことが考えられます。また、導入される側に十分な知識がない場合、「導入することについてどう思うか?」を聞いても、うまい質問ができず、会社の方針に従うしかないということもあるようです。
なぜAIを導入するのか、その結果働く方はどうなれるのかを丁寧に説明していくことが大事と思います。
②人を評価するAI?
AIも進化を遂げ、属人的な部分の大きい人事評価の分野でも用いられるようになりました。
膨大なデータから導き出される査定は、ともすると抗うことなく信じてしまいがちです。このパートでは、そんな信じてしまいがちなAI査定の、大元になった「参考にしたデータ」や「導き出されたプロセス」を開示するよう会社に求めた判例をもとに、その危険性について考えました。
人はAIに「こうです」と言われると、過信してしまう傾向があります。間違っていると思っても、根拠を示すことも難しいですよね。
よって、もし人事評価にAIを用いるのであれば、そのプロセスを明らかにすることで、働く方と会社とがフェアであるように努めること。また、ベンダーさんから買ってそのまま使うだけにせず、リテラシーを身に着けることが大切です。
③馬から車への移動手段の変化の歴史と同じ
パート3では、現在普及している人事労務AIの活用と労働法の観点からのお話がありました。
一番最後のお話が印象的で、馬から車へ、乗り物が変化していった時には、確かに馬にまつわる仕事は減ったけれど、車に関する仕事も増えたというところで、AIの普及もそれと同じではないかというお話がありました。
ですので、分からないテクノロジーも、恐れず使ってみたうえで、理解や見識を深めていって、”どう活用するか”を考えていくのが、前向きな考え方なのだと思います。
そして結局は、「AIがそう言っているから」という理屈は通用せず、最後は人が決める、ということを徹底しなければならないということを強く意識できました。
④AIの導入で、人は幸せになれる?
最後はパネリストの皆様のトークセッションでした。
否が応でも、AIの導入は進んでいきます。モーレツ社員の時代よりも、今の方が大変な気がするという声もある中で、AIで効率化した分、浮いた時間でまた違う仕事をやらされるのは、ゆとりがなくてそれはそれで大変だよね、というお話がありました。
必ずしも、みんながみんな、浮いた時間で生産的な仕事をしたいと思っているわけではない、ということは肝に銘じなければならないと感じました。
人との対話は人にしかできない。その負荷がこれまでより多いと感じているなら、浮いた時間で人間力を磨くのが良いかもしれません。(コーチングのスキルについても言及がありました。)
総じて、目に見えないものを信じすぎるのではなくて、不安に思う気持ちを大切にすること、その上でトライすることを、AIと人事労務との兼ね合いでは大切にしよう、ということが語られました。
私たちの業務でも、生成AIを利用する機会が増えました。ですが、出力された結果を鵜呑みにすることなく、それを”利用”して、人間らしい付加価値を付けることを忘れずにいたいものです。
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