賞与決定の新常識?ポイント制賞与とは
こんな方に読んでほしい!
◎静岡市近郊で営業中
◎従業員数30名以下
◎活気ある職場づくりを通して業績アップにつなげたい
◎人事制度を見直してみたい
◎人事評価に取り組んでいるけど、しっくり来ていない
◎ご年齢が30-50代の代表者様
こんにちは。社会保険労務士の杉浦です。
6月7月は賞与の月、という事業所様も多いのではないでしょうか?
そして、決定方法については、「月給の○か月分」という決め方をしていらっしゃることと思います。
計算方法としてはシンプルで、迷うことがなくて良いかもしれません。しかし、業績が振るわないとき・ベテランの従業員さんの割合が増えてきたときには、お財布事情がかなり苦しくなるのも一面としてあります。
今回は、そんな事情の解決策の1つとして、「ポイント制賞与」をご紹介いたします。
賞与については、「頑張ったで賞」的な意味合いが強い印象がありますが、会社の立場からすると、あくまでも「利益の分配」。ですので、毎年必ずもらえるかというと、実はそうではない可能性だってある。半面、年収とは月収+賞与の合計ですので、年収の中に占める賞与のウェイトは非常に大きいということもありますね。
そんな中で、「設定された目標の達成⇒業績の向上⇒賞与の額UP」とつなげていく、業績連動=ポイント制が注目されます。
設計に当たっては、
「基本給を軸にした安定感のある部分」(こちらは、年収の中のウェイトに配慮しているということですね!)
「業績対応のポイント制部分」
の2階建て方式をとります。
☆ポイント制賞与の進め方
その期の利益を踏まえて、支給総額を決める
各人さんの基本給の千の位より上の数字×評価結果の係数を掛け算して、ポイントを決める
支給総額÷ポイント総数で割って、ポイント単価を決める
2と3を掛け算する
1.その期の利益を踏まえて、支給総額を決める
「ない袖は振れぬ」ということで、どのくらい利益から配分できるものがあるのかを確定させます。基本給ベースも残していますので、そこも含めて判断しましょう。
今回は、賞与の元手計132万円ー社員計3名分の月給分を確保66万円=66万円をポイント原資としましょう。
2.各人さんの基本給の千の位より上の数字×評価結果の係数を掛け算して、ポイントを決める
たとえば、22万円のお給料の北条さん(S2等級で、B評価となった)がいれば、
まずは、220,000から220をピックアップします。
ここに、以下の表のような「ポイント係数表」から、当てはまる係数を掛け算します。
220×1=220ポイント
3.支給総額÷ポイント総数で割って、ポイント単価を決める
北条さんのほかに、同じ月給の源さんや平さんがいらっしゃっいます。このお2人のポイントも、2の計算方法に当てはめたら、それぞれ396、198と出てきた、と仮定しましょう。
そうすると、
660,000÷(220+396+198)≒800円となります。
4.2と3を掛け算する
北条さん:800円×220ポイント=176,000円
源さん:800円×396ポイント=316,800円
平さん:800円×198ポイント=158,400円
この結果、いい評価を得られた=業績に貢献した源さんが、ポイント制のもとで一番多くもらえ、平さんがそこそこしかもらえなかった、という結果になりました。
ここに、1でよけておいた月給分を足し算すれば、この期の賞与は完成です。
ポイント制賞与のメリットは、賞与支給総額を先に決めることで、お財布事情に合わせた支給をすることができることです。
また、目標とも結びつけているので、ここに向けて頑張ることが、会社とご本人どちらも成長していくことにもつながっていきます。
デメリットとしては、「総額を分けあう」=「奪い合い」という構図が出てくる可能性があるということです。
いずれにしても、働く方が「結果が出なければ賞与にも影響がある」と意識づけられるかがカギ。
個人の成長⇒会社の成長⇒経営目標の達成が、賞与という評価でもたらされること、また、奪い合いの根本となるその元手となる総額を増やす方向に行くということに気づければ、強い組織になっていくでしょう。
いかがでしょうか?
中小企業は、限られた資本の中で運営していくことになります。
そんな中、効果的に賞与を活用していく方法について、ご興味を持っていただけましたら幸いです!
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