運送・美容の皆様、歩合給も残業単価に入っていますか?
こんな方に読んでほしい!
◎静岡市近郊で営業中
◎従業員数30名以下
◎活気ある職場づくりを通して業績アップにつなげたい
◎運送業・美容業など、歩合給を採用している
◎ご年齢が30-50代の代表者様
こんにちは。社会保険労務士の杉浦です。
運送業の場合の、水揚げ量に基づく歩合給であったり、美容業の場合の、売り上げの一部をもらえる歩合制であったり、「歩合給」や「出来高」を給与に取り入れている方はいらっしゃいますか?
こうした給与形態は、毎月変動する金額になるため計算をするのは難しいのですが、実は残業代の単価に組み込まなければならないというのはご存知でしょうか?
そもそも残業代の基礎とならないものは次の通り。
● 家族手当
● 通勤手当
● 別居手当
● 子女教育手当
● 住宅手当
● 状況に応じた臨時的な賃金
● 1ヶ月以上の期間ごとに支払う賃金
これらの中に歩合給が入っていない時点で、残業代の単価の中に組み込みましょうということになります。
こちらの図は、東京労働局で配布されているリーフレットになります。
(以上画像2点、厚生労働省・東京労働局:しっかりマスター労働基準法 割増賃金編より引用 https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/content/contents/000501860.pdf)
◎実際の計算式
基本給から残業代の単価を出す際の計算式と、ビミョーに異なっておりますので、こちらをご覧ください。
歩合給・出来高÷総労働時間数×0.25倍×残業時間=歩合給分の残業代
①いつもの残業代は、基本給他÷月平均所定労働時間で求めていましたが、歩合給の場合は「総労働時間数」で割ります。
②いつもの残業代は、1時間当たりの単価を出した後、「1.25倍」していました。これは、月給の人などが1時間の残業をした場合、
・「その月の月給は、その1時間の残業がない体での給与」だから、1倍分
・「労働基準法で言われている」から、0.25倍分
という建付けがあるからです。
歩合給の場合は、「その1時間の残業によって生み出された成果も歩合の一部」だから、1時間分追いで払わなくても良く、0.25倍だけ考えます。
◎例題
リーフレットの図はオール歩合給ですが、月給の基本給と組み合わさった際どうなるのか、見ていきましょう。
☆基本給235,000円、精皆勤手当8,000円、歩合給190,000円の方。年間所定休日が122日で、1日8時間労働、この給与計算の月の総労働時間数は190時間(そのうち残業時間は18時間)の時
(365日-122日)×8時間÷12ヵ月=162時間:月平均所定労働時間
(235,000+8,000)÷162時間=1,500円:月給の1時間あたりの賃金
190,000÷190時間=1,000円:歩合給の1時間あたりの賃金
1,500円×1.25×18時間+1,000円×0.25×18時間=38,250円
ということで、もしこれまで歩合給部分をスルーしていたとしたら、この月に関しては、その未払い金額は4,500円ということになります。
稼ぎ頭の人の場合、いくら倍率が0.25といえども、相当な金額が歩合給分の残業代として発生する可能性があります。
未払い残業代へのリスクは近年さらに注目されるようになっておりますので、今一度計算方法を確認してみましょう。
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